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旅と文具とカフェめぐり

世紀末ウィーンのグラフィック展に行ってきました

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現在、京都国立近代美術館で開催中の「世紀末ウィーンのグラフィック展」を見に行ってきました。

当初、この展覧会のことは知らなくて。

TLで紹介されているのを見て、おお、これは行かなくっちゃ!と。

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展覧会の「顔」となって、お出迎えしてくれたのは、黒い礼服に身を包んだ(全員が立派な髭ありの)男性たちでした。

彼らは、旧来の美術界や芸術サロンから脱け出して、新たな時代の新たな美やデザインを求めて活動した「ウィーン分離派」のメンバー。 クリムトも写っています。

「世紀末ウィーン」という言葉を聞くと、耽美的で退廃的な印象を持ってしまいますが、会場全体を彩っていたのは、正反対のワードでもある、パワーやエネルギーだった気がします。

クリムトの耽美的で幻想的な絵もありつつ、多くは、フリーハンドの曲線や、ツルなどの植物モチーフを多用して、自由に表現された美しいグラフィックデザイン。

王侯貴族など、一部の特権階級だけのものではなく、民衆が生活のなかで身近に感じ、手にすることができる美を生み出したい、という、そんな芸術家たちの意欲が伝わってきました。

私は、もともと、イギリス・ヴィクトリア時代に活躍したウィリアム・モリスが装丁した本や、文字・装飾デザインが大好きなのですが。

(↓以前、ウィリアム・モリスはじめ、ラファエル前派の展覧会を見に行ったときの記事です)

cocoaplus.hatenablog.com

今回の展覧会では、同時期のウィーンで活躍した芸術家たちによる、美しい本の装丁や挿絵を前にして、それこそ、ガラスケース越しに、じーっと見入ってしまいました。まさに、至福のとき。

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ミュージアム・ショップで買い求めた、マスキングテープも、これまた美しく。早速、トラベラーズノートに貼ってみました。

ゴールドとエメラルドグリーンの使い方が、とても好みです!

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このあと、展覧会は、4月中旬から東京へ巡回するとのこと。

世紀末から新たな世紀を迎えて、新しい美を生活の中に求めようと活動した、ウィーンの芸術家たちの作品をぜひ。

京都国立近代美術館 公式HP