前回記事に引き続き、我が家にやってきた、今年一番の「大物」新人さん、中屋万年筆を御紹介します。
中屋万年筆と初めての出会い
実は、中屋万年筆を初めて握ったのは、4年前。Pen and message.さんで、でした。
それまで、サイトで写真を見たことはあっても、中屋の実物は一度も見たことがなくて。(ピッコロなどの各サイズや、いろいろな色の軸を実際に初めて試筆したのは、前回記事に書いたときだったんですけれど)
その日、お店のカウンターで、各種万年筆の試し書きをさせて頂いていた際、店主Yさんの私物の万年筆を含め、何本か書かせていただいたうちの一本が、中屋万年筆でした。(うろおぼえですが、ライターモデルの菖蒲か桔梗だったのかな?)
おお、これがウワサの中屋・・・!
と、初めての出会いにドキドキしつつ。
鮮やかな軸の色と、手に吸い付くような漆の感触は、その後も、ずっと記憶に残っていて。あのときの菖蒲(桔梗?)は「いつかは中屋」の候補の一本でもあったんですよね。
菱形の象嵌も入れてらして、それが、とってもステキで。私も自分用にお迎えするときには、あんな風に象嵌オプションを入れたいなあ、と密かに思っていたのです。
そして、このときの「野望」が、4年後、ついに叶えられたというわけです。
憧れの菱型の象嵌だけど…
今回買い求めた、シガーモデルの輪島漆塗仕上げ朽葉溜には、もともと、菱型の象嵌風グリップが入っていました。その点も、まさに理想通り。
しかしながら、私はわりと首軸の前方を握る癖があるようなので、握って書いてる最中は、象嵌があんまり見えず・・・。あれ? まあ、これも愛ですよね。
首軸のネジのあたりは、すでに、下地の漆がかなり透けて見えていて、この黄金色の、枯れた雰囲気が何ともお気に入りです。
漆塗りの軸をインク瓶に浸けるのは、恐ろしくて出来そうになかったため、今は、純正ブルーブラックのカートリッジをつけています。
こちらは、ニーモシネに書いてみたもの。中字のペン先を細めに調整していただいたため、ニーモシネの升目に合わせて書くのも楽々です。(一マス内に文字が入っていないのはお約束・・・)
ほぼ日手帳にも、ちゃんと、細かい字をこりこり書き付けることが出来ていますよ。
プラチナのブルーブラックは、プレピーで使って以来だったんですけど、古典BBインクなので、どんな紙に書いても、ほとんど、滲みや裏抜けがありません。
なので、純正ブルーブラックを入れた中屋は、日々の出来事を綴る、ほぼ日手帳以外にも、いろんな場所で活躍してくれそうです。
前回記事では、モンブラン#145との長さ比較をしましたが、こうして見ると、キャップを取った状態の中屋ロングサイズは、ほぼ日手帳の大きさと同じくらいの長さです。
他の万年筆と比べて、長さはあっても、特段、後ろに重心を持っていかれてしまうわけでもなく、長さによる重さは感じないほど、快適に書き進めることができます。
さいごに
「朽葉」とは、平安時代から貴族たちに愛用されてきた、日本古来の色の名前だそうです。
風情を感じる色の名前とともに、私も日々、朽葉溜を愛用して、その書き心地を堪能すると同時に、軸の色が変わりゆく様子を愉しんでいければと思っています。