奈良駅へバスで戻ったあと、また、循環バスに乗って、今度は、カフェへ向かいました。
古い町屋の一軒家にある「よつばカフェ」です。
そこは、まるで、昭和の懐かしい頃に
タイムスリップしたかのような場所でした。
古いステレオや、中に飾られている小物など、全てに、昭和の香りが・・・。
レトロな和室で、ゆったりしたカフェ・ミュージックを聴きながら、ほっこりできる・・・そんな、癒しの場所です。
こちらで頂いたのは、モカチーズケーキと、チャイ。
ほの苦いコーヒー味のチーズケーキはとっても濃厚で。 温かいチャイも、美味しかったです。
縁側から見える小さな中庭を眺めながら、美味しいケーキとチャイで、のんびり。 まるで、子供の頃、近所のお友達の家に、およばれしたような、そんな、懐かしい気持ちを味わえたカフェでした。
雑貨なども置いてらっしゃったので、お友達への絵葉書と、自分用の鹿の一筆箋を買い求めました。
そのあとは、また、循環バスに乗り、春日大社前を通り過ぎ、車道に飛び出しそうになった鹿をバスがよけるのを見たりしながら、県庁前で降りて、奈良県立美術館へ。
こちらで、北斎や広重の浮世絵を見るためです。 (浮世絵展は、10/12までの開催でした)
浮世絵に、それほど詳しいわけでもないのに、広重と聞くと、つい、見に行ってしまいます。
最終入館が4時半なのに、入ったのは、4時15分。 小さい美術館だろうとは思っていたんですが、急いで見て回らねばと。
しかし、広重の江戸名所百景、117図も展示されているんですけどー。
今までにも、昨年は、図版が綺麗というボストン美術館所蔵のものや、東京・ニューオータニホテルでの江戸名所百景展にも行って、何度も見ているんですが、やっぱり、広重はいいですねえ。
平日の夕方、しかも、台風の後だったせいか、観覧者も、私を含め、5人ほどしかいなかったので、じっくり見てくることが出来ました。
ということで、最後は、江戸の情緒に触れて、台風一過の、奈良日帰り旅行を終えたのでした。
広重の江戸名所百景を見るたびに、この本を読み返したくなります。
江戸名所百景は、単なる名所ガイドではなく、そこには、版元の魚栄と広重による、お上からの発禁や弾圧を逃れる策略が隠されていたり、当時、江戸で話題になった出来事や、事件へのメッセージが、そこには潜んでいる・・・と。
どうして、亀がぶら下がっている様子が大きく描かれているのか?とか、あの、少し風変わりな大写しの構図の「謎解き」が楽しめたりするんですよ。