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旅と文具とカフェめぐり

ペンクリニックに行ってきました

20170705225803

難波の高島屋で開催されていた、ペンクリニックに行ってきました。私にとっては、初めてのペンクリニックです。

今回のペンドクターは、セーラーの川口さんとのこと。 診て頂くにあたり、ものすごく調子が悪い、というわけではないのですが、どうも、「の」や「い」などの平仮名を書くときに、とくにペンの引っ掛かりを感じていた、ビスコンティのヴァン・ゴッホを他にも気になる点があったので、持参することにしました。

開始から10分後くらいに着いたのですが、すでに三人ほど待ってらっしゃるということで、少し離れた場所に用意されていた丸椅子にぽつんと座って、順番を待つこと10分あまり。 この次が私の番ということで、ようやく呼んで頂けて。 川口さんと同じく、白衣を着られた助手の方に、今回見て頂く万年筆をお渡しして、症状などをお伝えしました。

そして、前の方の万年筆を修理されている川口さんの手元を、つい、お隣の方と一緒になって、じーっと見つめてしまいました。 その間にも、私の万年筆は、分解されて、洗浄されていきます。 ルーペでペン先を覗き、ラッピングペーパーらしきものでスリスリ。 その繰り返しだけで、問題なく、前の方の万年筆の修理は終わったようで、意外と早く、私の番がやってきました。

前の方のときと同様、川口さんは、ヴァン・ゴッホ・バニラのペン先をルーペで覗き、何枚かのラッピングペーパーでスリスリ。 「これはいつから使ってますか?」という質問に、「十二月に買ったので、二ケ月ほどになります」とお答えすると、また、川口さんは、ルーペでペン先を覗き、ラッピングペーパーでスリスリ。 長年愛用しています、とか言えればよかったのですが、なにぶん、万年筆歴が浅いので、ちょっと恥ずかしかったり・・・。

内心ドキドキしながらも、ただ、川口さんの手元を見つめるばかりで。 そして、結局、ラッピングペーパーで数分、研ぐだけの修理で、気になっていた症状も、感じなくなっていました。 もともと、滑りは良いほうでしたが、自重だけでスラスラと字が書けるし、多すぎて、ちょっと困っていたフローも、多すぎず少なすぎずの状態に。

うーん、マジック!

最初、助手の方に、このヴァン・ゴッホを手渡したとき、店頭には何も書かれていませんでしたが、一人一本だけでしょうか?と、おそるおそる尋ねてみると、一人二本まで、とのことでしたので、念のために持参していた、もう一本も、続けて、診て頂きました。

そちらのほうは、ラッピングペーパーだけでなく、最後に、ペン先の切り割りをナイフでスーッと裂くような作業も加わり、うわー、よくGペンで絵を描いていた頃には、筆圧であんな風にペン先が割れたけど(線に強弱をつけて、太い線を描くときは、自然とそうなります)万年筆なのに、大丈夫なのかしら?と、ドキドキしつつ、修理を見守ることに。 結局、二本目のほうが少し時間がかかったけれど、こちらも、とても書きやすく、劇的に生まれ変わっていました。

少しでも調子がよくなるようにと、淡い期待を抱きつつ、毎日、モレスキンに書き込んでいた、地道な努力の成果か、

当初と比べて、ほんのちょっとだけ、「書ける」ようにはなっていたんですが、これって本当は、こんな書き味だったのね!というぐらいに変わっていました。ただ、川口さんから、このインクは変えたほうがいいですよ、とアドバイス頂いたので、帰りに、高島屋の文具売り場で、新しいインクを買い求めてきました。

もちろん、ペンクリでは無料で診て頂いたこともあり、その御礼代わりに、こちらの文具売り場で、何か買って帰ろうとは思っていたんですが。 (さすがに、今の時点で、新しい万年筆を一本とは、予算的に行かないまでも・・・)

ペンクリのあとも、いろいろと万年筆の試筆をしたり、ガラスケースに展示されている、綺麗な万年筆を眺めたりして、結局、一時間ほど、文具売り場をウロウロしてしまいました。

その間も、平日の昼間というのに、ペンクリニック会場には、必ず、誰かが座っているというくらい、途切れることなく、お客さんが見えていました。 私は、もともと、大阪南部の人間なので、百貨店と言えば高島屋というくらい、こちらの高島屋にも、実家にいた頃は、よく訪れたものですが、文具売り場、しかも、万年筆売り場に来たのは、たぶん、これが初めてでした。

それほど大きな売り場面積ではないですが、今回、試筆させて頂いたときも、若い女性店員さんが、気軽に声をかけて下さって、デルタの万年筆を試し書きしながら、いろいろお話しました。 「試し書きだけでも構いませんから、いつでもお立ち寄り下さいね」と優しく言って頂いて、とても気持ちよく、やりとりできて。 インクを買うときには、ほかの女性店員さんが担当でしたが、こちらの方も、気さくな方で、万年筆のことが分かってらっしゃるなあ、という印象を持ちました。

また、売り場には、「趣味の文具箱」最新号で紹介された万年筆を集めて、ガラスケースに展示したり、いろいろ工夫されている点も、好感を持てました。 販売員の方が、万年筆売り場に愛情を持ってらっしゃるのが、ひしひしと伝わってきて。だから、つい、何度もウロウロしてしまったのかも知れません。

かつての地元に、こんなステキな万年筆売り場があったんだ、と嬉しくなったり。 今では、なかなか、ミナミまで買い物に出向くことは無いんですが、またいつか、こちらで、万年筆を買うことが出来ればいいなあ、と思いました。

でも、そのときは、せっかくなので、高島屋カードを持っている母を連れてきて、高島屋のポイントをがっつり貯めたほうが・・・と考える辺りが、関西人かな?