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ドメインを失効してしまった顛末

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このたび、はてなブログで再スタートを切ることになった、元々のきっかけは、約3年間使っていた独自ドメインを失効してしまったことでした。

少し長めの記事になりますが、こういった経験は二度とない(かも知れない)ので、今回の経緯を書き留めておこうと思います。

ドメインを失効したことに気づくまで

今から3年と少し前。

WordPressでサイトを構築したくなり、そうなると、独自ドメインが必要ということで、初めてドメインを取得してみたんです。

ブログを書く際に必要になるのは、サーバ(データを保管する「場所」)と独自ドメイン(行き先を表示するURL「表札」)です。

大手ネット会社が運営する有料・無料ブログ(ココログ・fc2・楽天・ライブドア・Blogger・はてななど)を使う場合、その両方を用意してくれているので、自分で準備する必要はありません。

一方、WordPressを使ってブログを構築する場合は、データを保管するレンタルサーバを自分で借りて、ドメインも自分で取得する必要があります。

ある日突然、サイトが閲覧できなくなりました

レンタルサーバ&独自ドメインという組み合わせで、昨年秋までブログを書いていたわけですが、昨年11月のある日。

自分のサイトに何度アクセスしてみても「ページがありません」と返ってきてしまったのでした。

最初は、レンタルサーバの会社がメンテでもしてるのかな?と思って、会社の障害・メンテナンス情報ページを見てみましたが、わたしが使っているサーバがメンテしている様子はありません。

もしや…?ということで、ドメインを取得した会社(レンタルサーバと同じ会社でも良かったんですが、保険の意味で別会社で取っていたのが裏目に)についての自分メモを確認してみると…

2015年秋に、一年分のドメイン使用料金を支払って更新したけど、2016年秋には使用延長の入金をすっかり失念していたのでした。

しかも、その時点で、すでに1ケ月以上も前の9月末日に、ドメイン有効期限が切れてしまっています。

え、いや、数日前に自分のサイトを見たときは、ちゃんと表示されてたんですけど?

有効期限が過ぎてもサイトが表示されてしまう罠

その後、ドメインについて調べてみて、初めて知ったのは…

私が使用していたドメインの場合、有効期限が切れたあとも、約1ケ月ほどの間は、サイトが表示されるそうです。

これが落とし穴でした。

有効期限が切れて即、見れなくなっていれば、使用料の支払い忘れにも、もっと早くに気づいていたと思うんですが。

(※有効期限後のサイト表示については、使っているドメインの種類によって違います)

ドメインを取り戻すには3万円以上もかかると知って

まあ、期限が切れてしまったものは、仕方ない。

確か、入金を忘れたときの救済措置があったはず…と、調べてみると、更新手続きをせずに、ドメインの有効期限が切れて1ケ月くらいなら、3500円ほどの手数料を支払えば、更新させてくれるみたいでした。(これは、会社ごとに料金など違うようですが)

でも、この時点ですでに、手数料を支払って更新できる期間も過ぎてしまっています。

それ以降はどうすれば、元のドメインを使えるようになるのか、サポートページにも何も書かれていませんでした。

再取得には高額かかる上に取り戻せるとも限らない

サポートセンターに照会メールを送ってみたところ、数時間後、このような、目を疑う返答が返ってきました。

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・・・は? ドメインを取り戻すには3万円以上かかるって? 

しかも、それだけの手数料を払っても、絶対に取り戻せるとは限らないとか。(取り戻せなかった場合は、一応、返金されるようですが)

猶予期間に突入

上記返信メールにあったredemption periodというのは、「猶予期間」のこと。

私が持っていたドメインは、更新できる期間を過ぎて「猶予期間」に入っているため、上位団体と復活交渉しなければ復活できない状況にある、という内容でした。

そこで、ドメインの詳しい状況を検索できるサイトで見てみたところ…

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「猶予期間」に入ったのは、なんと、この日の前日(!)でした。

11日にこのサイトをチェックしに行って、前日の10日に「猶予期間」になった旨、書かれてるのを見たときは、もうね・・・。

おそらく、この「猶予期間」に入ったから、有効期限過ぎてもまだ表示されていたサイトが、突然表示されなくなったのかと思われます。

たぶん、前々日までくらいなら、3500円ほど支払えば再更新できたはずなのに、それが今では、3万円以上支払わなければドメインを取り戻せないなんて。

せめて数日前に、そういえばドメインの更新はどうなってたかしら?って気づいて、チェックしておけば良かったのに、わたし・・・。

催促メールも来ていたのに

ドメインの延長手続きについてのメールは、再三、ドメイン管理会社のほうから送信されていたんです(あとになって確認してみれば)。

ただ、雑多な広告メールも多く来るメールアドレスで登録してしまっていたため、ほかのメールに埋もれてしまっていて、気づかなかったんですよね。

てっきり、レンタルサーバ会社からのメールを受け取るアドレスと同じものを使ってるとばかり思いこんでいて。そちらのアドレスなら、来るメールも大事なものばかりだし、催促メールも目にして、更新期限が迫ってることにも、早く気づけたと思うんですけど。

というか、人まかせにせず、メールで催促が来る前に、自分で有効期限をこまめにチェックしておくべきでした。

まあ、つまりは、自分のせいで失効してしまったわけで、誰のせいでもないんですよね。(なので、余計に後悔が深まるばかり、という)

元のドメイン再取得に望みをかけて

ここで、選ぶ道はいくつかありました。

まず、「これを機に、ブログ公開は諦める」。

まあ、これも考えないではなかったですが、せっかく、細々とではありますが7年ほど続けてきたブログですから。

2016年度の更新は少なめになってはいたけど、やっぱりブログ書くのは好きだし、書ける場所が無くなるのは寂しいし。(この間も、Livedoorブログでゲームブログのほうは続けていたので、何も書いてないわけじゃなかったんですが、そちらはあくまでゲームに関してのブログなので)

このままブログを続けるなら、選択肢は2つ

もし、今までの過去記事含め、このまま当ブログ運営を継続していくなら、このとき、私が選ぶ道は2つに1つでした。

1. 失ったドメインは諦めて、新しいドメインを取得する

2. 元のドメインが再取得できるタイミングを待つ

1番目の案を選ぶなら、数日のうちにでも、ブログ再開できるのは分かっていました。

書き溜めていた過去記事など、WordPressのデータはレンタルサーバ内にそのまま残っていますし、ただ、場所を示す「表札」であるドメインを失ってしまっただけでしたから。

元のものとは違う、新しいドメインを、どこかの会社で取得すればいいんです。

でも、その際は、「表札」がかけ替わるので、データベース内の変更以外にも、ブログ記事内のリンク全部でドメイン(URL)変更を行う必要があり、結構、手間がかかりそうです。

2番目の案の「元のドメインを再取得できるまで待つ」を選べば、ブログ記事内のリンクを変更する必要はなく、データベース上での変更をいくつかすればいいみたいでした。

また、これは単に、手間の問題だけではなく、もし、ドメインを変更することになれば、すでに私のサイトや記事をブックマークして下さっている方にもご迷惑をかけてしまいますし、検索にも影響が出るのは避けられません。

というわけで、さまざまな状況を考慮した上で、元のドメインが再取得できるまで待つことにしたのでした。

ドメインを取り戻すために

今回の事態を受けて、失ったドメインを再び取得するには、どうすればいいのか、いろいろ調べてみました。

ドメインの状態を知る方法

ドメインはWHOISという世界機関が一括管理しています。

元のドメインの詳しい情報を得るために、こちらのサイトを利用しました。

WHOIS検索 | TECK-UNLIMITED

ドメインを入力して検索すると、そのドメインの情報や現在の状態が、検索結果として表示されます。

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大手ネット会社のサイトからでも、空きドメインの検索はできますが、そのドメインを取得できるか否か、という簡単な内容しか検索できないことが多かったので。

再掲になりますが、この時点での検索結果です。

20170111102520

Status;現在の状態。redemptionPeriodで、「猶予期間」に入っていることを示しています。

updated Date;その状態になった日。11/10に「猶予期間」に入りました。

Expiration Date;有効期限最終日。9/30でした。

ステータスの移り変わり

元のドメインを誰より早く取得するためには、このステータスのチェックが重要になってきます。

1)猶予期間中(ステータス:redemptionPeriod)
これが明けるまでは、誰もドメインを取得できない。いつ明けるかは、どこにも明示されていない。期間は約20日ほどらしい?

2)猶予期間終了(ステータス:pendingDelete)
猶予期間は終了したが、これで、すぐに再取得できるわけではない。

3)該当なし:No match for domain
pendingDeleteになって5~6日ほどで「No match for domain」、検索したドメインは未登録の状態になる。ここで初めて、誰でもドメインを取得できるようになる。

つまり、pendingDeleteの状態になったら、まめにステータスをチェックして、ドメインを他人に取られないようにしないといけないわけです。No match for domainになったら即、登録して取り戻せるように。

結局、ステータスがpendingDeleteになり、猶予期間が終了したのは、12/11でした。

20170112190927

猶予期間に入ったのが11/10でしたから、丸一ケ月間かかったことになります。

そして、ここからは、ステータスがいつ切り替わるかも定かでないので、No match for domainになっていないか、何度もチェックしに行く日が続きました。

ついに、その日が

猶予期間が終了して、5日目。

Xデーは、もうそろそろと見込んで、この日も一時間おきぐらいに状態をチェックしに行って、寝る前にもチェックしたのですが、まだ切り替わってなくて。

そして迎えた翌朝。

休日だというのに、朝6時半に起きてチェックしてみたら…すでに他の会社に取得されたあとでした。

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日本が夜中の間に、Status: No match for domainになり、すぐに、アメリカの格安ドメイン販売会社に買い取られたようです。

ドメインを取り戻すことに決めてから、約1ケ月。こまめにチェックを続けていた手間も、わたしが一晩眠っている間に、すべて徒労に終わったことを知った瞬間でした。

やはり、ドメインの再取得は難しいようです

例のアメリカの会社を調べてみると、日本にもよくある、ドメイン登録やレンタルサーバーを扱う会社のようでした。

その会社から、ドメインを買い取ることも出来たのでしょうが、ドメインが果たしていくらで販売されてたかも分からないけれど、海外とのお金のやりとりは不安ですし、無理をして買い戻すほどでもなかったので、あきらめることにしました。

大事に育てたドメインほど高価に売買される

検索などでヒットしやすいページや、読者が多いサイトのドメインは、すでに付加価値がついているため、中古ドメイン市場では高価な値がつくそうです。

頑張って育てたサイトほど、中古ドメインの売買会社にも目をつけられやすいのだとか。先方はロボット検索などを駆使して、そういう情報をくまなく集めていますからね。

ドメインをめぐるそんな事情も知ってはいたんですが、英語圏には、あまり馴染みもなさそうなドメインだったし、まさか、と思っていたんです。

一度失効したドメインの再取得は、よほどでないと無理という話は、あちこちで読んでいましたが、3万円以上支払うよりはと猶予期間が明けるのを待って、無事に再取得できた、という例も一件だけですが読んでいましたし。

だから、賭けに出た、と言ってもいいのかもしれません。

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まあ、これが、もし、会社名や商品名などの名称を使用した、大事なドメインなら、ここで買い戻しておかないと、中古ドメインとして悪質業者に購入される可能性もあり、何に使われるか分からないわけですが。

昨年、ドメインをめぐる、こんなニュースが報道されていました。

四国にあるN市役所で、それまで使用していたN市の観光者向けサイトの独自ドメイン(市の名前がそのまま入っている)を、もう必要ないと判断して手放したところ、悪質業者に買い取られてしまい、そのドメインにアクセスすると、一見、以前とまったく同じ外観の、N市の観光案内ページを装いながらも、実はオンラインカジノに誘導していたという内容でした。つまり、市と関連あったドメインが悪用されてしまったわけです。

(市の担当者は、手放したドメインがこんなことになるとは知らなかった、と話していたそうですが。仮にもシステム担当でありながら、そんなお粗末なことで良いのかしら?と、そのときは新聞を読みながら思ったものですけれど)

個人・団体問わず、どんなドメインも、一度手放してしまったら、そのドメインについている付加価値を利用して、誰がどんな風に使うかも分からないわけですし、法律に抵触していない限り、それを差し止めることもできないのです。

さいごに

私の場合、今回の過程は、終わってみれば、このようなものでした。

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(日時はGMTなので、日本時間とは時差があります)

最終的に、ドメインの買い戻しができないと分かった時点で、新しいドメインを取得して、WordPressのデータで再開することも出来たわけですが、結局、それを選ばなかった理由は、以前の記事に書いた通りです。

cocoaplus.hatenablog.com

ちょうど、12月末にレンタルサーバの更新期限も迫っていましたし、これを機に、「レンタルサーバでWordPress」スタイルも諦めることにして。

11月中旬以降、初めての事態に直面して、いろいろ気を揉むことも多かったですが、これもまた、良い教訓になったかな、と思います。

独自ドメインをお持ちの方は、くれぐれも、更新手続きを忘れないようにしてくださいね。口座引き落としにして、自動更新にするのが一番かとは思いますが。

ドメインを手放したくなかったから、3万円以上の手数料を支払って取り戻した、という人の話も読みました。高い買い物につきますが、どうしても奪われたくない大事なドメインなら、猶予期間に入る前に、そうするのが、たぶん得策なのでしょう。

年間使用料を毎年支払うことでドメインを更新し続けて、世界に一つしかない、そのドメインを何年にも渡って育てれば育てるほど、一旦それをやめて手放した瞬間、ある意味、リスクも背負うことになる。

ドメインをめぐるそんな現実も、改めて知ることにもなった、今回の一連の出来事でした。