Hot Cocoa mix**

旅と文具とカフェめぐり

初めてのポーリッシュ・ポタリー

つい、出先で衝動買いしてしまうものがあります。 すでに、家にいっぱいあるのに、一目惚れしてしまい、連れて帰ってしまうもの。

それが、私の場合は、マグカップです。

今日はカップを買おう!と思って出かけたわけではないのに、帰宅したときには、つい買っちゃったよ・・・と少しばかり反省しつつも、後悔はしていないお買い物。(和食器の場合は、こうじゃないんですけど。ほんと、マグカップだけなんですよね)

夕方のティータイムには、大抵、紅茶かコーヒーを淹れて飲むので、マグカップが欠かせません。特に、秋冬シーズンは、温かいミルクティーやカフェオレを淹れて、おうちでほっこり。

そんな私の、今、一番のお気に入りは、ポーリッシュ・ポタリーのマグカップです。

ポーリッシュ・ポタリーのこと

20131229_01

「ポーリッシュ・ポタリー」とは、ポーランド製の陶器のことです。

以前から、東欧の素朴な図柄の陶器に興味はあったんですが、なかなか、実際に目にする機会が無くて。もしくはネットショップで見かけても、万がつくくらいに、お高かったりして。(洗ってるときに割ってしまうかもしれない普段使いの食器に、そんなお値段は出せません~)

でも、ある日訪れた雑貨ショップで、このマグカップに、一目惚れ。ぽってりした温かみのあるフォルムといい、深い青主体の色味や、素朴ながらも細かい図柄が気に入ってしまいました。

お値段的にも、お手ごろ価格。(これ大事)

そして、店頭で手に取ってマグカップの裏を見ると、ポーランド製ハンドメイド」とで書かれていました。

20131229_02

ハンドメイドなので、それぞれに、小さな部分で図柄が少しずつ違うんですよね。

とはいえ、これは筆での「絵付け」ではなく、スタンプで押している「スタンプ絵付け」だそうです。それがポーリッシュ・ポタリーの特徴なんだとか。

よく見ると、同じ模様が続いています。こんなに細かい図柄なのに、スタンプでこまめに押して出来上がったものだったとは。

そんなポーランドでの陶器作りについて、いろんなサイトやショップのページで調べてみて、改めてポーリッシュ・ポタリーの奥深さにひかれたのでした。

スタンプ「B」の謎

このマグカップ、上の写真のように、カップの底面に、ポットの形をした「B」があって、何のマークかな?とずっと不思議に思っていたんですよね。

もしかして、ポーランドの陶器のひとつだという、「ボレスワヴィエツ陶器」のBなのかな?と。

それで、「ボレスワヴィエツ陶器」とグーグルで調べてみると、ポーランド政府観光局の公式サイトのページを発見しました。

ボレスワヴィエツ陶器 | ポーランド政府観光局公式サイト

あっ。あの深みのある青い色の図柄をした陶器が、陶器市でいっぱい並んでる~!

ボレスワヴィエツは、ポーランド南西部、ドイツの国境にも近い小さな陶器の町だそうです。ポーランド語ではBolesławieckie。

ボレスワヴィエツの街ってどんなところかな?と思っていたら、ポーランド観光局のブログに、こんな記事もありました。

ボレスワヴィエツで陶器工場見学&ファクトリーショップでショッピング体験 | ポーランド政府観光局のブログ

ボレスワヴィエツの街には、オレンジやクリームイエローに塗られた壁が、とてもカラフルで、可愛い家がいっぱい! 尖塔がある教会前広場は、明るい雰囲気の街並みです。

この街のどこかにある工房から、遠路はるばる、日本の我が家にやってきたんだね~。ぽってりとしたマグカップの「ふるさと」に思いを馳せてみると、ちょっとした東欧旅行気分。

ボレスワヴィエツの周囲の土壌が陶器作りにはとても大事で、そのため、中世から陶器作りが盛んに行われてきたとか。

丈夫な陶器なので、電子レンジやオーブン、食器洗浄機もOKで、普段使いにも、ぴったり。

しかも、この丸みをおびて、くびれた、ぶ厚い飲み口が、普通のマグカップとはまた違って、飲むときとても口当たり(唇当たり?)が良いんですよ。

今までにも、いろいろとマグカップを買ってきましたが、こんな感触は初めてだなあ。なんだか、クセになりそうです。

新たな「B」の謎が

・・・と、ここまで書いたとき、そういえばマグカップに貼ってあったシールを、確か、ほぼ日手帳に貼っておいたんだっ、と思い出して、見てみました。

すると、また新たな謎が。

ブンツラウカステル

てっきり、Bのマークは「ボレスワヴィエツ」のBだとばかり思っていたのに、Bunzlau CastleのBだったの? あら?

いやいや、でも、もう一枚のシールには、ちゃんとボレスワヴィエツの住所と、Ceramic Artisticを意味する窯元の名前、Ceramika Artystycznaってポーランド語で書いてあるし・・・。(ほぼ日手帳を確認するまで、こっちのシールに気づいてませんでした(^^;)

そこで、さらに調べてみると、Bunzlau Castle(ブンツラウカステル)とは、ドイツ領だった当時の町の名前であるBunzlauブンツラウと、町のお城であるCastleカステル(英語ではキャッスル)から名付けられたブランド名だったようです。

私が一番最初に、ボレスワヴィエツの詳しい来歴を知ったショップのサイトでも、ポーランドの窯元名には同じものがあったり、ややこしかったりする、と書かれていました。そこで「もみじ饅頭」に例えてらしたのが、なるほど、と。(広島でもいろんな会社が、それぞれの「もみじ饅頭」を販売してますもんね)

ポーランドには多くの窯元がありますが、その中でも大きなものが

の2つだそうです。どちらもボレスワヴィエツ近郊にありました。

ボレスワヴィエツ社の所在をグーグルマップで見てみると、ボレスワヴィエツはポーランドの町だけど、国境に近いので、もうドイツやチェコのほうが近い感じ。ベルリンまで200キロ、プラハまで250キロなのに、ポーランド首都ワルシャワまでは450キロもありますから。(とにかく、国内でも海外でも地図を見るのが好きです)

お城とBのマークは共通のようです

Ceramika Artystyczna(ツェラミカアルツィティナ)社のhistoryのページには、私が買ったマグカップの裏に押されていたスタンプや、貼られていたシールと同じ、「ポットの中にお城とBのマーク」がありました。これは1995年から使われているスタンプマークみたいです。

一方のボレスワヴィエツ社のトレードマークにも、お城とBのマークが入っていて、ややこしいですが、ツェラミカアルツィティナ社のマークとは違います。

まあ要するに、ボレスワヴィエツの陶器には、お城マークとBのマークが入ってることが多い、と・・・。

Bunzlau Castle(ブンツラウカステル)はCeramika Artystyczna社のブランドなので、だから、Ceramika Artystyczna社のシールと、Bunzlau Castleのシールの両方が貼ってあったんですね。

特に、Bunzlau Castleのブランドは、欧米向けに、陶器だけじゃなく、テキスタイルやナプキンなど、テーブルウェアも販売しているようです。

Bunzlau Castle英語サイト

欧米向けの販売サイトだけあって、とてもおしゃれなデザインのサイト。確かに、ポーリッシュ・ポタリーの食器と一緒に、こんなテーブルクロスやナプキンも揃えたら、明るくて素敵な食卓になって良いかも。

そして、こちらのBunzlau Castleのウェブショップで、私が持ってるのと同じマグを見つけました。ファーマーズマグの中でも、小ぶりなので、「Lady's Mug」と書かれていました。

ポーリッシュ・ポタリーと一言で言っても、窯元も違えばデザイナーも違うし、作り手も違うので、一つ一つ図柄にも個性があって、同じものは一つとして無いそう。それが、ハンドメイドの良さですよね。

でも、たとえば、このマグだと、ぽってりとした独特のフォルムは、どの窯元も共通みたいなので、ブランド名や会社名にこだわらず、ただ、気に入った図柄を選んでみればいいのかも。そうやって、形は同じだけど、図柄が違うファーマーズマグを一つずつ増やしてみるのも良いですよね。

トラベラーズノートにも貼っておきました

当初は、お気に入りのマグの裏にあるBの文字から、ポーリッシュ・ポタリーについてちょっとだけ調べるつもりが、予想外に長くなってしまいました。

でも、これで謎もすっきり解けて、良かったです。

いろいろなポーランドの陶器のサイトを見ていると、素朴で伝統的な図柄と、温かみのある色と形に、すっかり心奪われてしまいます。

20131230_3

本当はマグカップの他にも、お皿やティーポットなど、同じ図柄で揃えたかったけど、そうなると、かなりの出費になってしまうので、こんな食卓って憧れだなあ、という意味で、お店でもらってきたカタログの写真をトラベラーズノートのページにぺたりと貼ってみたり。

こうして、好きなものが増えていくのは、幸せなことですね。

さいごに

自分が好きなものや、好きなことについて、ただ、気ままに書いているだけの当ブログですが、今年もお付き合い下さって、ありがとうございました。また来年も、興味の趣くまま、マイペースながらに書き続けていければと思っています。

それでは、良いお年をお迎えください。