静かなカフェで、ひとりのんびり過ごす時間が好きです。ほかのお客さんの気配だけを感じながら、思索を遮らないほどの音量で流れるBGMに耳を傾けて。
喫茶星霜は、まさに、そんな心地よい空間でした。
天満に行ったのは、大川に浮かぶ大きなラバーダックを見にいって、そのあと、今月号の『MOE』ムーミン特集号でも紹介されていた、北欧カフェ「dieci」でランチをしたとき以来です。
店内では、大好きな女性ジャズ・シンガー、エラ・フィッツジェラルドの物憂げなハスキーボイスをBGMに、ゆったりとコーヒーを味わいました。
穏やかで丁寧な物腰で話されるマスターが一杯一杯、ハンドドリップで淹れて下さる星霜ブレンド。
最初はシナモントーストと一緒に、星霜ブレンドAを頂いたのですが、コーヒーのお代わりが200円ほどで可能ということで、こんどは星霜ブレンドBを、食後に頼んでみました。(その2時間前には、スタバでブレンドを飲んだばかりでしたが)
星霜ブレンドAは、フルーティで軽い風味のコーヒー。一方の星霜ブレンドBは、とても濃厚なチョコレートの香りが。まだ、そんなにたくさんのコーヒーを飲み歩いたわけではないですが、ここまでチョコレートの香りがするコーヒーは初めてだったので、飲むよりも、カップを近づけて、香りを楽しむ時間のほうが長かったかもしれません。
こちらのお店では、平日の午後2時以降、ネルドリップのコーヒーもオーダーできるようです。(両手を使い、注ぐ湯量を慎重に加減しながら、じっくり丁寧に淹れられるのだとか。本当にコーヒードリップとは、繊細な作業なんだなあ、と改めて実感します) ペーパードリップとはまた違う味わいのコーヒーも、ぜひ飲みに行ってみたいです。
シンプルで古いものに囲まれた、静謐な空間。
カフェは、もともと、人と語らう場所として誕生したけれど、こんな風に、たとえば一杯のコーヒーを前にして、ひとり、静かに思索に耽る場所であっても良いとおもうのです。