以前から気になりつつも、まだ持っていない万年筆に、カヴェコ(Kaweco)がありました。
カヴェコは1883年創業のドイツの老舗筆記具メーカー。 会社は1970年代に幕を閉じましたが、今は別の会社から復刻版が出ていて、それが広く販売されているんですよね。
カヴェコの万年筆は、その大半が8千円以内で買えるため、比較的、カジュアルに使える万年筆として、ドイツでも若者を中心に人気なようです。
本国での、そんな様子を昨年のNHKの番組『恋する雑貨』で見ました。
それまでは、いつかはKawecoも買えたらいいかな、と思うだけで、それほど、今すぐ欲しい!というわけでもなかったのに、番組を見た途端、そのスタイリッシュな万年筆に、興味が湧いてきまして。
先月の東京・鎌倉女子文具旅行の際に出会えたら、買うつもりでいたんですけど、結局見つけられなくて、その後、地元・神戸で出会うことになりました。
缶入りの小さな万年筆カヴェコ
それにしても、缶入りの万年筆というのは初めてです。 こういうところも、デザイン王国のドイツらしく、スタイリッシュですね。
買い求めたのは、カヴェコ AL Sport。色はチタンブラウンです。
他にシルバーもあったんですけど、どこか温かみのある、この色味に惹かれました。
本体はアルミ製です。ラミー・アルスターも持っていないので、アルミ製の万年筆というのは、実は初めてだったりします。
冬場など、持ったときに冷たくないのかな?と思っていたんですが、それほどでもないですね。
あと、こんなに短くて、小ぶりな万年筆も初めて。 旅先へ携帯する際なども、小さいので便利かな、と思ってます。(今から、旅に連れて行くのが楽しみ!)
キャップを本体の後ろに差しても、まだ結構短いです。
文庫サイズのノートにも、すっぽり、おさまってしまうほど。(ちなみに、一緒に写っているノートは、滴堂(MiWa)さんの手作り上製本ノート。イスタンブールのトプカピ宮殿のイラストが可愛くて、一目惚れでした)
カヴェコの字幅は中字のみで、選びようがなかったんですが、海外の万年筆メーカーの中でも、かなり太い字が書けるMニブじゃないでしょうか。
店頭でも試筆させて頂きましたが、書き味は滑らか。太めの中字で、インクフローも良いせいかも知れませんね。
もともと、重い万年筆は苦手なほうなんですけど、これは小ぶりだし、アルミなので、見た目ほどは重くもなく、冷たくもなく。書いている間に、自分の体温でボディがじんわり温まってくる気がするし、気軽に持ち運べて、カジュアルなスタイルで使える万年筆ですね。
ドイツでは小学校の授業でも万年筆を使っていて、子供のときから、みんな、マイ万年筆をずっと大事に使っているそうで、まさに、そういうお国柄ならではの万年筆だなあ、と。
コンバーターはというと・・・
ところで、カートリッジも付属で1本ついていましたが、手持ちのインクを使いたかったので、コンバーターを装着することにしました。
しかし、このコンバーターが、お高い割には、ちょっと、ちゃちな感じで・・・(^^;
カヴェコ(一番上)と、パイロット(中央)のコンバーターを並べてみました。(一番下はカヴェコのカートリッジ)。パイロットの2/3くらいの長さでしょうか。
普通なら、コンバーターって、お尻のところのネジをくるくる回してインクを吸い上げるものですが、カヴェコの場合は・・・
後方のほう2/3がビニールでできた窓になってて、そこを、ぷにぷに押すと、インクを吸い上げる仕組みになっています。
強く押しすぎて、爪で傷をつけないようにしなくっちゃ!(ビニールなので、耐久性にも問題ある気がしますけど)
【追記】上記カヴェコのコンバーターは、その耐久性の問題から発売中止になりましたが、その後、ミニコンバーターが発売になりました。
創立者はカヴェコさん?
ちなみに、Kawecoの名前の由来ですが・・・
Kawecoはハインリッヒ・コッホ(Koch)とルドルフ・ウェバー(Weber)により、1883年にドイツのハイデルベルグで創業され、この二人の名前からKawecoと名付けられました
別に、「カヴェコ」さんという人が創業したわけじゃなかったんですね。
Kawecoにコンバーターで入れたインクのことや、ノートに書いてみた様子などは、次回の記事で紹介しています。