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旅と文具とカフェめぐり

若沖ワンダーランド

先日、MIHO MUSEUMで開催中の『若沖ワンダーランド』に行ってきました。

京都駅からJRで15分の石山駅へ。 そこから、さらに、路線バスで、片道50分の道のりです。

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山奥にひっそりと建てられた美術館。

その周囲は、すでに、綺麗に紅葉していました。 今年は、紅葉を見に行く予定がなかったので、ちょうど良かったです。

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こちらの美術館では、特別展に関するフライヤーも、チケットへの画像印刷も一切無かったので、(経費節減のためでしょうか・・・少し残念)若沖の絵を紹介できるのは、このフラッグのみになります。

ちなみに、この絵は、2008年に北陸の商家で確認されたという、「象と鯨図屏風」です。

では、美術館に向かいましょう。

とはいえ、駐車場から、入口入ってすぐのレセプション棟から、美術館までは少し離れていて、トンネルを抜けて行くことになります。

歩いても、10分ほどの距離ですが、無料の電気自動車も運行しているので、それに乗って移動できます。

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このトンネルで、外の世界と、「桃源郷」が繫がっている、というイメージのようです。

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トンネルの中は、メタルで独特な世界でした。 そして、トンネルを抜けると、そこは・・・

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美術館棟の周囲も、また、色とりどりの紅葉に包まれていました。

伊藤若沖の絵は、京都の相国寺承天閣美術館での展覧会や、京都国立近代美術館での、プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展など、今までに何度も見てきましたが、今回は、「動植綵絵」のように、派手で緻密で豪華な若沖ではなく、墨絵や版画などの、素朴だけれど、その分、線の柔軟さや、豊かな表現力が前面に押し出されているものが多かった気がします。

やっぱり、若沖の絵は、鶏を描いた墨絵が好きですね。

一瞬の、コミカルな表情を、とても高いデザイン性で描いていて、とても、江戸時代に描かれたものとは思えないわーと、いつ見ても、驚いてしまいます。

そして、今回は、若沖がメインのつもりでしたが、常設展や、もう一つの特別展で見ることが出来る、古代エジプト、古代中央アジアなどの展示物も、とても興味深く、見て回ってきました。

実は、古代文明も、好きなんです~・・・。

途中、古代エジプトの展示室を見逃していたことに気づき、また、電気自動車に乗って、美術館棟へ戻るなど、結局、計6回も、あのトンネルを行き来することになってしまい・・・((^^; 一時間に一本しかないバスの発車時刻を、10分勘違いして、バスに乗り遅れ、また、美術館棟に逆戻りして、カフェでお昼御飯代わりに、抹茶白玉を食べたりしました。

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こちらの美術館を訪れたのは、今回が初めてだったのですが、まるでホテルのような美術館でした。

個人の美術館だからかもしれませんが、とにかく、スタッフの物腰や対応が、とても丁寧で、好感が持てました。

そして、美術館の設計は、あの、パリのルーブル美術館を設計したM.ペイ氏によるもの。 幾何学的な要素が織り込まれ、自然と一体になることを目指した、暖かみのある建築が、どこか、癒しをテーマにしたリゾートホテルみたいで。

小さな美術館ながら、とても居心地の良い場所でした。

少なくとも、こんな美術館が日本にあったのか、というカルチャーショックを、受けた気がします。 おもてなしを受けた気分になれる美術館は、初めての体験でしたから。

かなり山奥になりますが、ちょっとした小旅行気分で、山道をバスに揺られながら、自然に包まれた美術館へ向かうのも、たまには、良いかもしれないですよ。