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旅と文具とカフェめぐり

古代ギリシャ展に行ってきました

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神戸市立博物館で開催されていた、古代ギリシャ展に行ってきました。

歴史好きなので、これまでも、古代エジプト展や四大文明展などに足を運んでいますが、古代ギリシャのものばかりを集めた展覧会は、初めてだったかも?

イギリスでも大英博物館へは何度か訪れましたが、やはり、古代エジプトやアッシリアなどの部門を見に行くことが多かったですし、古代ギリシャは、あまり自分の中では興味がなかった部分かもしれません。

でも、今回の古代ギリシャ展(正式には「特別展 古代ギリシャ -時空を超えた旅-」)は、ギリシャ国内にある40ケ所の国立博物館から、300点以上の作品が一堂に集まった展覧会。

これほどの規模のものは日本で初めてと聞くと、これは見に行かねば、ということで。

なんといっても、カバーしている年代がハンパありません。

紀元前4500年頃から、紀元前100年までの、約4400年ものあいだの遺物が、一同に集まっちゃうのですから。

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古代ギリシャの美術品といえば、まず思い浮かべるのは、やがて中世ルネサンスに大きな影響を与えることになる、美しい大理石の彫刻の数々でしょうか。ルーブル美術館にあるミロのヴィーナスなどですね。

でも、今回、わたしが特に印象深く感じたのは、壺でした。

たとえば、プリミティブで力強い図形が描かれたミノス文明の壺。その曲面に描かれた文様は、どこか、アフリカ美術と似ているようにも見えました。

もしくは、細かい幾何学模様が描かれたアンフォラ。(トラベラーズノートでは、右ページの右上部分に貼った壺の写真になります)。

紀元前800年頃のものなのに、デザイン的にとても洗練されていて。一見、アール・デコ調の壺にも見えて、現代のリビングに飾ってあっても、何の違和感もなさそうなくらい、おしゃれなんです。

あとは、古代ギリシャの壺と聞いて、まず思い浮かべる、赤い色で神話やオリンピックの場面などが絵付けされた壺。(壺の話ばかりですが…)

今まで、こんなに、じっくり見たことは無かったんですが、紀元前300年ほどのものなのに、絵だけ見せられたら、ビアズリー?と勘違いしそうなくらい。(ビアズリーはイギリスのヴィクトリア時代に、耽美な白黒のペン画で一世を風靡した画家です)

8~10頭身の均等が取れた、抜群のプロポーションをした人物像が妙になまめかしいのです。

そして、一番驚いたのが、大きな壺(また壺ですが…)に描かれていた、絵の中の指の描き方。それが、少女マンガの指そっくりなんですよ。

いわゆる「白魚みたいな手」というのか。節がなく、すらっとした長めの綺麗な指の描き方。これが紀元前に描かれたものとは信じられないほどで、指だけ見たら、「ベルばら?」と思ってしまうかも、と。

古代エジプトの壁画のように、人間や神を描く際の形式化された記号的な図案ではなくて、現代アートやマンガにも通ずる古代ギリシャ美術の奥深さ!

絵画が好きなので、大理石の彫刻よりも、やはり、壺に描かれた絵付けや、床のモザイク画に見入ってしまいますね。

他には、文字も好きなので、現在も使われているギリシャ文字以前に使用されていたという、陶片に刻まれた線文字も興味深く見てました。

紀元前1900年頃の線文字Aについては、まだ現代でも、解読されていないらしくて。

遠い昔に失われ滅びた文明の文字ならともかく、昔も今も変わらずに人が住み続けている土地で使われていた文字が、読み方や意味も解明されてないなんて、と驚いたりも。(それを言えば、万葉集にも、現在もまだ読み方が分かっていない歌があるわけですが…)

古代ギリシャといえば、これまでは、ばくぜんと、アクロポリスやサモトラケのニケ、ミロのヴィーナスのようなイメージしか無かったのですが、予想以上に、人間味溢れる豊かな表現や美術が、ギリシャ各地で発展した時代だったんだなあ、と改めて実感しました。

(こちらで、主な作品紹介を見ることができます)

ところで、今回の古代ギリシャ展の感想をトラベラーズノートに書くにあたり、新しいレフィルにしたのです。

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この前、書いた時点で、ページも終盤だったので、新しい方眼レフィルを買ってこないと、と思ってたはずが、すっかり失念していて。

それで、大事に温存してあった、パン・アメリカン航空(パンナム)のレフィルを使うことに。

2015年の限定版だったので、使わずにしまってあったんですけど、まあ、いつかは使わないと、もったいないですもんね。

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表紙はプロペラ飛行艇のボーイング314。

表紙裏には、1959年までの5年間しか生産されなかったという、ダグラス社のDC-7Bクリッパーのイラストが。

定番のレフィルと違って、中紙はクリームのMD用紙で、方眼もうっすらと水色をしています。

普段とはちょっと違うレフィルに、これからも、さまざまなことを書き留めていきたいですね。