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旅と文具とカフェめぐり

新世界発のエストニアJazz[Chobit日記 Vol.2]

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いつも、大阪や京都にあるアンジェさんに行くと、食器や文具だけでなく、CD試聴コーナーにも、つい、ふらふらと吸い寄せられてしまいます。

お店でBGMとして流れている音楽は、ジャズが多いのですが、そのCDを出している、澤野工房さんのレーベルの音楽を店内で試聴できるんです。

新世界からエストニアのジャズを発信

澤野工房さんといえば、(当ブログでも何度か書いていますが)大阪でもコテコテの下町、通天閣で有名な新世界で、老舗の履き物屋店の御主人がCDを出してらっしゃる個人ジャズ・レーベル。

澤野さんが感性で選んだヨーロピアン・ジャズを多く取り扱っています。

聴いて心地よかったらええやんか」がモットーだという澤野さん。

昔から、ビル・エヴァンスや、コルトレーンなど、有名どころのジャズも聴いていましたが、澤野工房さんの、一般的にはあまり知られていないジャズ・アーティストのCDをアンジェさんで試聴してみたら、とても私好みな音だったのが、トヌー・ナイソー・トリオです。

トヌー・ナイソーさんは、エストニア出身のジャズ・ピアニスト。

東欧のジャズって、メジャー・レーベルではあまり聞きませんよね。

でも、トヌーさんの弾くピアノの音やタッチが私はとても好きで、耳に心地良いんです。

なので、アンジェさんにお買い物に行くたび、試聴機にセットされたトヌー・ナイソー・トリオのCDをヘッドフォンで聴いて、このアルバム持ってないし、買う予定は無かったけど、買っちゃおうかなあ…と、衝動買いしてしまうことも、たびたび。

そうして、少しずつ、私のトヌー・ナイソー・トリオ・コレクションも増えてきました。

一番最近、購入したのは、『R』というアルバムです。

これは、ジャズの名曲をしっとり弾いている普段のアルバムとは違って、全曲がロックやポップスの名曲ばかり。

U2の「With or Without You」やガンズの「November Rain」など。

元がロックだったとは思えないほど、美しい旋律にリアレンジされていて、しっかりジャズになっているんです。

ジャズってなんだか敷居髙そう…と、二の足踏んでいる方でも、耳慣れたメロディで親しみやすく、ジャズに触れて頂くこともできるんじゃないかな。

このアルバム『R』は、ジャズ批評誌の「ジャズ・オーディオ・ディスク大賞 2016」で、インストゥルメンタル部門10位になったそうです。

(同じく、トヌー・ナイソー・トリオのアルバム『You Stepped Out of a Dream』は、ベスト・オブ・ベスト部門で8位になったとか。偶然、何年も前に、私が初めて買ったトヌーさんのアルバムだったので、感慨深いです)

ところで、トヌーさんといえば…

澤野工房のフェイスブックによると、先日、トヌーさんが16歳の頃の幻の音源が見つかったけれど、ソ連時代のレーベルが版権を保有していた関係で、澤野工房さんは「手を出せない」ということで、他社からリリースされたのだとか。(エストニアは第二次世界大戦中にソ連に占領され、ソ連から独立したのは1991年のことでした)

こういう話を聞くと、数十年前までは共産圏だった国に住んでらしたんなんだなあ、と思います。

でも、音楽に国境は無いですね。(私も、まさか、エストニア出身のピアニストさんのCDをこんなに買うことになるとは思ってもいませんでしたもの)

こちらの公式オンラインストアで、アルバムの試聴もできますよ。